認知症の老人は、最近のことはすっかり忘れて、何十年も前のことを現在起こっていると思ったりすることがあります。妻を母と言ったり妹と言ったり、娘と言ったり、同居している嫁を他人と言ったりします。この過去と現在の混乱による記憶の曖昧さを補うように、「子供が外国に住んでいる」「夫が病気で入院中である」との説明や作り話をしてしまいます。これは以前起こったことや、起きることを期待していること、質問に対する答えだったりします。