

みなさんの中には日頃から入浴介助を行っておられる方がたくさんいらっしゃることと思いますが、復習のために今一度、入浴介助について回数を追って触れていきましょう。
入浴には、(1)身体を清潔にする、(2)全身を温め、血行をよくする、(3)適度な疲れと体が温まったことによって快眠が得られやすくなる、(4)疲れやストレスが軽減する、(5)関節痛の軽減、褥瘡(じょくそう)の改善が認められるーなどの効果がある。また、「風呂がなによりの楽しみ」という高齢者も多い。
入浴中の事故でもっとも多いのは転倒である。とくに高齢者では浴室、浴槽への出入りの時によろめいて転倒する人が多い。いったんよろめくと床面も壁も濡れているため、ひどく転ぶことが多く、腰・膝・頭等を打撲し、骨折などの重大な事故につながる危険性も高い。したがって、入浴介助の際には、これらの事故を未然に防ぐような配慮が必要となる。
入浴は身体にかなりの負担をかけるので、(1)熱があるとき、(2)元気がないとき、(3)いつもより血圧が高めの時、(4)脈が早い時、(5)食事の前後1時間、(6)飲酒後、には差し控えるようにする。